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2012年1月23日 (月)

〈緑人社〉の青春

 ブログ《「北方人」日記》で見て面白そうなので、小樽文学館に注文していた、亀井志乃『〈緑人社〉の青春―早川三代治宛の木田金次郎・高田紅果書簡で綴る大正期芸術運動の軌跡―』(2011年12月、小樽文学舎)がとどいた。

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 さっそく100頁ばかり読んでみたが、とてもおもしろい。「プロローグ」にある次の一節が本書の輪郭をよく物語っている。

『生まれ出づる悩み』の〈木本君〉のベールを透かして見るのではない木田金次郎、有島武郎が拓いた〈農民文学〉の系譜を受け継ぐ小説家としてだけでは把握しきれない早川三代治。小樽滞在期の石川啄木の脇役であるだけではない把握しきれない高田紅果、そして同時代に小樽や岩内に生きた様々な人々・・・・・・。今までに世に知られて来なかったエピソードを、今、この現代に、若々しい青春のストーリーとして新しく説き起こしたいと願いながら、筆者は、キーボードに向かってきました。

 小生は、啄木と交流があった高田紅果のことが知りたいという動機があったのだが、レコードコンサートなどを開催して文化活動を行っていた行動力のある人物であることがわかった。また、文学と美術が交流するさまも、興味深い。
 文化学院の展覧会以前に、オシップ・ザッキンの作品が、大正10年の第8回二科展に出品され、木田に影響を与えていることが掘りおこされている。

 石川啄木に関心のある人にはぜひ読んでほしいし、有島武郎の影響圏の研究としても重要な本だと思う。

 限られた書簡資料から、評伝を書く際のサンプルにもなる本だ。

 文化に経済や政治がどのように影響するかも追跡してあって読みごたえがある。

 緑人社の緑人とは、green youth 「青二才」のことであるという。

 小樽文学館は、こちら